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2000.2.5 日本代表 0-1 メキシコ代表

Carlsberg Cup

日本代表 0-1 メキシコ代表
香港ナショナルスタジアム

勝利への意欲が見えず。
得点しなければ勝てないのは当たり前。

ワールドカップまであと2年と少々。2000年はシドニーオリンピックが控えているとはいえ、この大会はトルシエになってから全く結果がついてこないA代表にとって今後の方針を決める上でも重要なものとなる。残念ながらバリャドリーの城、ローマ・中田、CB森岡が出場せず、ベストとは言えない布陣ではあるが、将来に期待を抱かせる内容を伴ったゲームを期待したが....。

新しいA代表は最終ラインを一新して登場した。大岩、松田、中田の3バックでトルシエのスタイルであるフラット3をどう吸収していくか。実戦で試された。中盤は、南米選手権で評価を受けた伊東がキャプテンマークを巻き、順調に成長している稲本も初CAP。両サイドは右サイド望月、左サイド名波というメンバー。2トップには、オリンピック予選で目覚ましい結果を残した平瀬とベテラン中山の2トップ。対するメキシコもワールドユース組4人、ワールドカップ出場組が4人という将来を見据えたメンバーとなった。

立ち上がりから日本は中盤で積極的にパスを回した。稲本、小野、名波がボールに近寄り、中山、平瀬がサイドに流れ起点を作る。メキシコボールになっても稲本が積極的につぶしにかかり、日本がペースをつかんだ。心配された最終ラインも落ち着いてプレーし、まずまずの出来だった。一方のメキシコは最終ラインにベテランを揃え、早い寄せで日本の2トップに前を向かせない。中盤ではうまくパスを回してリズムを作る日本だが、やはり最終ラインを崩すことはなかなかできない。中山のヘディングシュートは、無理な体勢から。平瀬のシュートも今一つ得点の期待を抱かせるものではなかった。徐々にサイドも封じられ、ミドルレンジのシュートに終始する。今までとやはりあまり変わりないと言える。安定していた最終ラインも特に右サイド大岩のエリアを徐々にメキシコに崩されていった。左サイドは名波と中田の間のスペースをうまく使われていた。そして決定的なチャンスをメキシコに与えてしまう。GK楢崎の好セーブで事なきを得たが、不安を残した。

後半になると、攻撃に関してはますます手詰まりの感が否めない。小野のボールタッチ数が減るにつれチャンスらしいチャンスもなくなった。中盤でボールをキープしても、受け手は2トップしかいないため横パスやバックパスに終始する。2トップが流れてボールを受けても中央に入る選手は少なく、ボールを後ろに返してクロスをあげるといったパターンしか見られない。2次的、3次的な攻撃を見ることができず、厚みがまったくない。徐々にメキシコに押し込まれ、なんとかリズムを変えたいところで幸運にもメキシコにレッドカードが出た。勝利から遠ざかっていた日本にとっては正にチャンスだった。しかし、後半10分、10人のメキシコにまたも右サイドを破られ、中に入ってきた選手についていけず痛恨の失点。集中が切れてしまったのだろうか。当然守りに入るだろうと思ったが、10人になり1点リードしたメキシコはこの後もやり方を変えなかった。トルシエは攻撃面で機能していなかった伊東と望月に変え、奥、澤登を投入。1点を追った。奥は積極的に前を向いてプレーし、攻撃のリズムをつかみかけた。しかしやはり何か足りない。2トップを三浦、平野に換えても、決定的なチャンスを作ることは出来なかった。試合はこのまま終了。またも1点も奪えずに負けてしまった。

この試合を通じて感じたものは、やはりゴールへの意欲だと思う。攻めに迫力がない。パスを出すスペースがなければすぐ横パス、バックパスをしてしまう。必要な場面はもちろんあるのはわかるのだが。積極的にゴールへ仕掛けていける選手がいないのか、それともカウンターを恐れてセーフティーなプレーに終始してしまうのか。それと、メキシコの選手が見せたような、ゲームの読みというものがまだまだ足りない。チャンスと見たときのメキシコの見せる攻撃は早くて迫力があった。これは去年のブラジル戦のときにも感じたことだ。チャンスと見たときの攻撃への切り替えの早さは雲泥の差である。守備については一定の評価を与えることは出来るが、カウンターを浴びたときに後ろへ引くスピードが速く、守備的MFとの間にスペースが出来てしまう。一度前に突っかけられ、そのスペースに2列目が入り込むタメを作られるとピンチになる。南米選手権では特に酷かったが、この試合でもまだまだ解消されていない。

ユース、オリンピック代表では素晴らしい結果を残してきたトルシエも正念場にやってきたようだ。アジア杯予選はまだしも、3月の中国戦でつまらない試合をすれば、進退論が浮上してくるだろう。攻撃面でどのようなサッカーを目指すのか。目に見える形で試合に出して欲しいものだ。守るだけでは勝てない。

選手名
採点
コメント
楢崎
6
まずまずのパフォーマンス。
中田浩
5.5
トルシエ理論は十分に理解し、ラインのコントロールは特に問題ない。ただ、不用意に飛び込まないのは良いが、相手に前を向いてプレーさせすぎていた。
松田
6
経験の少ないセンターを任されたが、破綻なくこなす。ディフェンス能力は高いものを持っていることを伺わせた。
大岩
5
初CAPというハンディはあるが、GK、望月、最終ラインとのコンビネーションは今一つ。ウラへ入り込まれることもしばしば。
名波
5.5
積極的に攻撃に絡んだが、前半、攻められているときのポジショニングが悪かった。後半は修正。しかし、セリエAでの成長の跡は見られず。
伊東
4.5
ゴール前にはよく上がっていたが、全く存在感なし。
稲本
6.5
積極的に相手の攻撃の芽を摘むことができた。攻撃にもよく絡んだが、後半になって息切れ。
望月
5
守備に時間を割かれることが多かったが、大岩とのコンビネーションが今一つで、右サイドを破られることが。攻めに入ったときの切り替えも悪く、積極性も見られなかった。
小野
5.5
時折、非凡なものを見せるが、得点には結びつかず。ペナルティエリアに入ってボールを受けるようなプレーはなかった。前への意識が低い。受け手がいないことはわかるが。
中山
5.5
左右に流れて起点にはなっていたが、ゴールへ向かってプレーできず。
平瀬
5
中山と同じような動きに終始した。時折、引いてボールを受ける場面があったが、そのスペースも生かせず。
6
交代出場してやや攻撃のリズムを作ることができた。
澤登
5.5
攻め手がないといった感じ。せっかく交代出場しても、個性を生かすことができないのが、今の現状か。
平野
5
見せ場なし。
三浦
5.5
久しぶりの出場で、積極的に仕掛けていた。
トルシエ
5

守備のトレーニングに時間を割いたという話であったが、攻撃ではやはり選手の個性を生かし切れていない。攻撃の選手は守備のトレーニングのために代表に呼んでいるのだろううか。もちろん、チーム作りの上で守備の形を固めるというのは理解できるが、アジア杯の予選が近い中で、こんな状態で良いのだろうか?このまま2002年を迎えそうで怖い。



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